最終更新日:2026年7月20日読了目安:11分で読めます

血糖値の正常値・基準値一覧|空腹時・食後2時間・HbA1c

血糖値の正常値・基準値を示す一覧図。空腹時血糖値は110 mg/dL未満が正常型、110〜125 mg/dLが境界型、126 mg/dL以上が糖尿病型

健康診断の結果を見て、「この血糖値は正常なのだろうか」と気になっていませんか。最初に押さえたい目安は次の3つです。

  • 空腹時血糖値:110 mg/dL未満が正常型の条件。ただし、100〜109 mg/dLは「正常高値」
  • 75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の2時間値:140 mg/dL未満が正常型の条件
  • HbA1c(NGSP値):5.6%未満が特定健診の保健指導判定値を下回る範囲。6.5%以上は糖尿病型

「正常型」と判定するには、空腹時血糖値と75gOGTT2時間値の両方が基準を満たす必要があります。一方、一般的な健診では75gOGTTを行わないことが多いため、空腹時血糖値やHbA1cから追加確認の必要性を判断します。この記事では、検査ごとの基準と数値の読み方を整理します。

血糖値の正常値・基準値一覧

日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドライン2024では、静脈血漿で測った血糖値を次のように分類しています。

判定区分空腹時血糖値75gOGTT 2時間値随時血糖値判定条件
正常型110 mg/dL未満140 mg/dL未満判定に使用しない空腹時と2時間値の両方を満たす
境界型110〜125 mg/dL140〜199 mg/dL判定に使用しない正常型にも糖尿病型にも当てはまらない
糖尿病型126 mg/dL以上200 mg/dL以上200 mg/dL以上いずれか1つを満たす

境界型の行にある2つの範囲は、両方を満たす必要があるという意味ではありません。たとえば、空腹時血糖値が110 mg/dL未満でも、75gOGTT2時間値が140〜199 mg/dLなら境界型です。

HbA1cは血糖値とは別の指標なので、上の3区分をHbA1cだけで決めることはできません。ただし、HbA1c 6.5%以上は糖尿病型に該当し、診断時の重要な判断材料になります。

健康診断で見る空腹時血糖値とHbA1c

健診結果を読むときは、診断基準だけでなく、異常を早めに見つけるための判定値も確認します。厚生労働省の特定健康診査資料が示す目安は次のとおりです。

検査基準範囲内保健指導判定値以上受診勧奨判定値以上
空腹時血糖値100 mg/dL未満100 mg/dL以上126 mg/dL以上
HbA1c(NGSP)5.6%未満5.6%以上6.5%以上

100 mg/dLと110 mg/dLという2つの区切りがあるのは、間違いではありません。100 mg/dLは特定健診で保健指導を検討する判定値、110 mg/dLは75gOGTTと組み合わせて正常型を判定する区切りです。

実際に特定保健指導の対象となるかどうかは、腹囲やBMI、血圧、脂質、喫煙歴なども含めて決まります。表の数値だけで対象が確定するわけではありません。

空腹時血糖値の正常値:100〜109 mg/dLは「正常高値」

空腹時血糖値は、10時間以上食事をしていない状態で測ります。日本糖尿病学会は、100〜109 mg/dLを正常域の中の「正常高値」として区別しています

空腹時血糖値が100〜109 mg/dLという結果だけでは、糖尿病型に該当しません。ただし、この範囲には75gOGTTで耐糖能異常が見つかる人も含まれます。日本糖尿病学会は100〜109 mg/dLの場合に75gOGTTを行うことが望ましいとしており、肥満、高血圧、脂質異常症、糖尿病の家族歴などがある場合は特に確認が大切です。

健診で「異常なし」と表示されていても、前年より数値が上がっていないかを見ておきましょう。1回の数字だけでなく、変化を追うことで早めの相談につなげやすくなります。

食後2時間の血糖値は140 mg/dL未満が目安

75gOGTTでは、ブドウ糖液を飲んで2時間後の血糖値が140 mg/dL未満であることが正常型の条件です。140〜199 mg/dLは境界型、200 mg/dL以上は糖尿病型に該当します。

普段の食後血糖値については、厚生労働省 e-ヘルスネットの「食後高血糖」が、食後1〜2時間で140 mg/dLを超える状態を食後高血糖と説明しています。空腹時血糖値が正常でも、食後だけ高くなる場合があります。

ただし、75gOGTTと普段の食事は同じ検査ではありません。普段の食事は糖質量や食べる速さが一定ではないため、家庭で測った1回の数値だけで正常型や糖尿病型を判定することはできません。食後の高値が繰り返し気になる場合は、記録を持って医療機関に相談しましょう。食後の眠気やだるさが気になる方は、血糖値スパイクとはも参考にしてください。

HbA1cの基準値と見方

HbA1c(NGSP値)は、過去1〜2か月分の血糖値のあらましを反映する指標です。採血直前の食事に影響されにくいため、健診や糖尿病の診断で使われます。

HbA1c数値の見方
5.6%未満特定健診の保健指導判定値を下回る
5.6〜5.9%日本糖尿病学会では75gOGTTを行うことが望ましい範囲
6.0〜6.4%日本糖尿病学会では75gOGTTを強く推奨する範囲
6.5%以上糖尿病型。医療機関での確認が必要

HbA1cが6.5%未満でも、空腹時血糖値や随時血糖値が糖尿病型に該当する場合があります。反対に、HbA1cが6.5%以上でも、HbA1cだけで糖尿病の診断は確定できません。血糖値による確認や再検査が必要です。

「基準値」と「正常値」は同じとは限らない

日常会話では「基準値」と「正常値」をほぼ同じ意味で使いますが、健診結果では区別して考えるとわかりやすくなります。

  • 正常型:日本糖尿病学会が定める糖代謝の判定区分
  • 基準範囲:検査機関や健診制度が示す参考範囲
  • 保健指導判定値:生活習慣を振り返る支援を検討するための区切り
  • 受診勧奨判定値:医療機関での確認を勧めるための区切り

健診票に「H」「要指導」「要受診」などの表示があれば、同じ用紙に載っている判定基準を確認してください。検査方法や健診制度によって表示が異なる場合があります。

空腹時血糖値だけでは食後高血糖がわからない

一般的な健康診断では、空腹時血糖値とHbA1cを測ることが多く、食後の血糖値を直接確認していません。そのため、空腹時血糖値が正常でも、食後高血糖が見つからない場合があります。

75gOGTTでは、10〜14時間の絶食後に75gのブドウ糖を含む検査用の飲料を飲み、負荷前と2時間後の血糖値を測ります。正常高値、境界型、糖尿病が疑われる範囲などで、医師が必要性を判断します。

家庭用血糖測定器や持続血糖測定器の値は、日々の変化を知る手がかりになりますが、日本糖尿病学会の診断基準では静脈血漿値を使います。機器の数値だけで診断せず、気になる結果を医療機関で確認してください。

数値が基準を超えていたら

血糖値が基準を超えても、1回の検査だけで糖尿病と決まるわけではありません。糖尿病型が別の日の検査でも確認された場合や、同じ採血で血糖値とHbA1cの両方が糖尿病型だった場合など、日本糖尿病学会の診断基準に沿って診断します。

厚生労働省の令和6年(2024年)国民健康・栄養調査では、「糖尿病が強く疑われる者」は約1,100万人、「糖尿病の可能性を否定できない者」は約700万人と推計されています。血糖値やHbA1cの意味を知り、必要な受診につなげることは、多くの人に関わる課題です。

受診勧奨判定値を超えていた場合や、のどの渇き、多尿、体重減少などが続く場合は、早めに医療機関へ相談してください。すでに治療中の方は、自己判断で薬や食事を変えず、主治医の指示に従いましょう。

mg/dLとmmol/Lの違い

日本の健診結果ではmg/dLが使われます。イギリス、カナダ、オーストラリアなどではmmol/Lが広く使われています。

血糖値の換算では18を使います。mmol/Lに18を掛けるとmg/dL、mg/dLを18で割るとmmol/Lになります。たとえば7.8 mmol/Lは約140 mg/dLです。血糖値換算ツールを使うと、単位の換算と推定HbA1cを確認できます。

血糖値の仕組みを知りたい方は血糖値とは、食事の選び方を見直したい方は血糖値を下げる食べ物ランキング低GI食品一覧もご覧ください。

ゲームで血糖値の変化を体験する

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出典

よくある質問

血糖値の正常値はいくつですか?
日本糖尿病学会の判定では、空腹時血糖値が110 mg/dL未満、かつ75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の2時間値が140 mg/dL未満の両方を満たす場合が「正常型」です。一方、特定健診では空腹時血糖値100 mg/dL以上が保健指導判定値です。数値の違いは、診断と健診で目的が異なるために生じます。
空腹時血糖値が100〜109 mg/dLは正常ですか?
正常域には入りますが、日本糖尿病学会は100〜109 mg/dLを「正常高値」として区別しています。将来の糖尿病発症リスクや75gOGTTで耐糖能異常が見つかる可能性を考え、経過確認や75gOGTTを検討する範囲です。健診結果を持って医療機関に相談すると、ほかの検査値やリスクも含めて判断してもらえます。
食後2時間の血糖値の正常値は?
75gOGTTの2時間値は140 mg/dL未満が正常型の条件です。また、厚生労働省 e-ヘルスネットでは、通常の食事後1〜2時間で140 mg/dLを超える状態を食後高血糖としています。ただし、普段の食事は糖質量が一定ではないため、家庭で測った1回の数値だけでは診断できません。
食後2時間の血糖値が200 mg/dLを超えたら糖尿病ですか?
75gOGTTの2時間値が200 mg/dL以上なら「糖尿病型」です。一方、普段の食事は糖質量が一定ではないため、家庭で測った食後血糖値が1回200 mg/dLを超えただけでは糖尿病と診断できません。高い数値が繰り返す場合や、のどの渇き、多尿、体重減少などがある場合は、測定記録を持って早めに医療機関へ相談してください。
HbA1cの正常値はいくつですか?
特定健診では、HbA1c(NGSP値)5.6%未満が保健指導判定値を下回る範囲です。5.6%以上は生活習慣や追加検査を確認する目安となり、6.5%以上は糖尿病型に該当します。ただし、HbA1cだけで糖尿病の診断を確定することはできません。
血糖値の正常値は年齢で変わりますか?
この記事で示す正常型・境界型・糖尿病型の判定基準は、成人の年代別には分かれていません。一方、糖尿病と診断された後の治療目標は、年齢、低血糖の危険性、合併症、生活状況などを考慮して個別に決めます。診断基準と治療目標は分けて考える必要があります。
血糖値がいくつから糖尿病と診断されますか?
空腹時血糖値126 mg/dL以上、75gOGTT2時間値200 mg/dL以上、随時血糖値200 mg/dL以上のいずれか、またはHbA1c 6.5%以上は「糖尿病型」です。糖尿病の診断には、別の日の再検査や、血糖値とHbA1cを組み合わせた確認などが必要です。1回の検査結果だけで自己判断せず、医療機関で確認してください。

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